...... 2003年 2月 04日 の日記 ......
■[ NO. 290 ]
sadistic
アパートにたどり着いて、
やにわに引越し準備に取りかかる。

ついさっきまで住人然としていたものが、
次の瞬間には永遠に出会うことの無い
ゴミクズに変わる。

捨てる、捨てる、捨てる。

自傷行為にも似た陶酔を感じる。
あるいは、生乾きの傷跡を冷水で洗い流す爽快感。
痛みの中に、次への確信がある。
生まれ出る痛み。

爬虫類の脱皮は、果たして痛みを伴うものなのだろうか?
願わくば、そこに強烈な痛みが在って欲しい。
生死をかけるほどの、痛み。

サディスティックチョコレート。
誰かのためにではない、自分のためだけの痛み。
ヒリヒリするくらい、もどかしいよ。


...... 2003年 2月 09日 の日記 ......
■[ NO. 291 ] ぴーかん
備忘録01
南向きの窓から入ってくる陽射しは、
優しいというよりも、真夏の勢いを感じさせる鋭さだ。

最近書いた原稿のテーマのせいで、
ああ、この地球のどこかでオゾン層がパックリ口を開けていて、
紫外線を直接浴びた生物が、得体のしれん生物に変異してるのかもしれんのだよなあ、
なんていう妄想がふくらむ。

戦争しか口に出せない子どもがいる。
世界の王様気取り。
王様が嫌いなのに、ヘラヘラ笑ってかしずく家来がいる。
家来の下でせっせと働く奴隷がいる。
もう50年も経つのになあ。


さてはて、グルグルが終わりそうもないので、備忘録。
今度の引っ越しでお別れする本たち(文庫)をおさらい。
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●AV女優/永沢光雄(文芸春秋1999年)
女優42人の真っ正直な生き様を、著者の優しい視点から描き出す本文はもちろん素晴らしいが、文庫化あとがきがいい。「今村淳」という、45歳で亡くなられた文芸春秋の編集者との歩みを書いているのだが、一編のハードボイルド小説を読むような熱と感動がある。

●無敵のハンディキャップ/北島行徳(文芸春秋1999年)
上の「AV女優」あとがきに登場する今村淳氏が手掛けた本。映画はまだ観ていないけど、ともかく熱い! 健常者と身障者が対等であるとはどういうことなのか? その答えを障害者プロレスに見いだした北島氏。そのリングの上では、生きるってことはみっともなくブザマに闘い続けることなのだあっ、だああああっ的なイノキボンバイエとは違うリアルな叫びが響いています。元気の無いときに。

●夜のコント・冬のコント/筒井康隆(新潮社1995年)
あんまりフィットしませんでした。スパイスが効いていないというか、そんな感じ。

●ポップアートのある部屋/村上龍(講談社1989年)
結局読まず終いで、今パラパラめくっても何の感慨も思い浮かばなかった。アメリカが汚れたからかな? 根本的に日本の風土にはポップアートが似合わないからかな?

●ソニー・勝利の法則〜小説「井深大と盛田昭夫」〜/大下英治(光文社1998年)
1992年に井深氏が文化勲章を受章したくだりから始まり、1997年に同じく井深氏が亡くなるくだりで幕を閉じるこの本は、ソニーの歴史はもちろんだけど、戦前戦後の日本史も垣間見れます。いや、いい本です。『東京通信工業』から『SONY』へ。ラテン語で"音"を意味する「SONUS」と、"かわいい坊や"を意味する「SONNY BOY」の造語。意味を背負わず、単純で楽天的な名前を戴いたことが、今日のソニーの発展につながるのだよな、なんて思います。


...... 2003年 2月 11日 の日記 ......
■[ NO. 292 ] 曇り
備忘録02
曇りの日は体調が悪い。内臓がイガイガする。

おとといは長年連れ添った原チャを売っぱらってきた。

国分寺までのドライブは3年前を懐かしく思い出させた。
あの頃とは随分と違った場所に、自分がいる。

五日市街道の桜並木は祭りの前の静けさを思わせる生命力をたたえていて、心なしか素っ裸の枝まわりがほんのり桜色だった。

上京して初めて住んだアパートを通り過ぎ、
上京して初めて口にしたラーメン屋に入る。

新小金井街道はすっかりラーメン屋通りになっていて時間の経過を感じさせるけど、久しぶりに食べたラーメン屋の味は10年前とほとんど変わっていない。店員の態度の悪さも何だか変わっていない。

心がほっこり温かくなった。


原チャを購入したお店に辿り着き、VINOを買い取ってもらう。出会った場所で別れる。何だかとても正しいことをしたような気になる。そして切ない。

「ちむぐりさ」という沖縄言葉が好きだ。

直訳すると「肝が痛い」という意味のこの言葉が、その瞬間にピッタリだった。



またグルグルしてしまった。
さてさて、文庫整理。
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●インドでわしも考えた/椎名誠(集英社1988年)
インド旅行ものとしては若干物足りなさを感じてしまった。妹尾河童さんとか、沢木耕太郎さんものを読む前だったら、シーナさんの豪快な文章が直接響いてきたのかも。でも、中の写真は素晴らしいっす。

●わしらは怪しい探検隊/椎名誠(角川1982年)
「東日本なんでもケトばす会」通称「東ケト会」(笑)。大学に入りたての頃に出会った精神科の先生が「東ケト会」に入っていたんだよなあ、なんて懐かしく思い出した。何の因果か知らぬが、ガッツリ文化系な自分ではあるけど、小学〜高校までは岩木山登山やら、洞窟探検、白神山地キャンプやらで随分と冒険をしたクチなんである。ふむ。そんな少年時代の「バカエキス」を持ち続けるシーナ氏に脱帽。文化の"ブ"すら感じさせない面白可笑しい体育会系エッセイ。

●あやしい探検隊 北へ/椎名誠(角川1992年)
上の一冊目よりも印象に残らなかった。慣れちゃったんだろうか? でもやっぱり3年に1回くらいは焚き火をして、その赤い不思議さを目に焼き付ける必要があるなあ、と感じるのだ。

●オーケンの「のほほんと熱い国へ行く」/大槻ケンヂ(新潮1998年)
それほどグッと来なかったけれど、「楽園の犬枕」が良かった。「犬枕」って言葉を使えるこの人は、本当に才能あるなあ、なんて感じました。

●大人失格/松尾スズキ(光文社1999年)
東京善意友の会会長、喫茶『バカボン怒』のマスターである「呼元さん」が気になるっす。


...... 2003年 2月 11日 の日記 ......
■[ NO. 293 ] 曇り
犬の生活
バウワウ。
お座りって言われて座ってられるか?
お預けって言われて待ってられるか?
お手って言われて手を差し出せるか?
ハウスって言われてスゴスゴ家に帰れるか?
チンチンって言われて奉仕できるか?
ボールを拾いに行く俺をあんたは待ってくれるのか?
バウワウワウ。

弱い犬ほど、よく吠える。


...... 2003年 2月 15日 の日記 ......
■[ NO. 294 ] ぴーかん
備忘録03
レイヴパーティー

●神楽坂のモロッコ料理店『アガディール』
このお店は、なかなかおいしいコーヒーを出します。

青葉(飯田橋店)
いや、素晴らしすぎ。他の店のラーメンが手抜きにしか思えなくなる。

にゃがにゃが亭(飯田橋店)
キムチが美味いっ! トンコツもほど良い感じ。

末廣(飯田橋店)
なんか味噌を食った気がするんだけど、濃いー印象しかないなあ。なかなかリピートする気にならんです。

びぜん亭
可もなく不可もなく。マスターの人当たりがとっても良いんです。はい。

梟(飯田橋店)
昨年末(今年?)オープンしたお店。どうやら天下一品系列らしいけど、卵具合が青葉ばりで美味いっ。常時ゆかりご飯サービスってのもいいかも。最近のお気に入り。

高はし
2回食った。2回とも複雑な気分になった。だしラーメン?? もう少しジジイになったら好きになるかも。とりあえず今は嫌い。

さごじょう(飯田橋)
えび塩ラーメンを食べた。ワンタンに包まれたエビはプリップリで美味。あっさり身体に良い感じでした。ギョウザは普通。

一兆堂(九段下)
とんこつしょうゆ卵のせを食べた。味はまあまあだけど、店員が全員外国人で、『都会を忘れるようなレトロな空間』が『日本を忘れるようなアジアな空間』になってて閉口。友だちが頼んだチャーシューメンにチャーシューを乗せ忘れる、オーダー順を間違えるなど、サービス悪。リピートは無しだすな。


...... 2003年 2月 20日 の日記 ......
■[ NO. 295 ] 曇りのち雨
のぶよ
おおやまを見た@飯田橋三菱銀行前。
とっても普通な6頭身で、
ドラえもんに変身するなんて思いもよらない感じ。

そして確定申告終了。
去年の学習効果もあって、スムーズに作成できました。
やっぱり痛いのは最初だけですな。
そりゃそうと税務署のお姉さんが色っぽかったっす。


...... 2003年 2月 21日 の日記 ......
■[ NO. 296 ] ぴーかん
こりゃすごい
仕事で知った熊本の焼酎『鳥飼』。
飲んだことはないけど、完成するまでの情熱がすさまじい。素晴らしい物語。


...... 2003年 2月 22日 の日記 ......
■[ NO. 297 ] 曇り
備忘録04
●たけしの死ぬための生き方/ビートたけし(新潮社1995年)
丹波哲郎の「大霊界」は読んだことないし、映画も観たいと思わないけど、たけしさん(の事故)には興味があったんで読んでみた。他の著書は何だかアクが強すぎて『たけし教入門』みたいな印象があったからノータッチだったけど。そしてこれがまた凄まじい。「気がついたら、おいらがヌイグルミを持って佇んでいるんだ。そう、背中にジッパーのついている全身タイプの奴。ジッパーはだらしなく下がったまんまで、いつでもずぼっとはけるようになっている。」
生々しい。
死の淵から肉体と精神を取り戻していく闘い。
そこから学ぶことは山ほどある。


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