26時30分。男の夜のひとり仕事も終えて、さて、ボチボチと寝るかという訳で、キッチンに立つ俺。風呂無しもうすぐ28歳。そんな俺にとってキッチンは風呂であり、洗面所であり、台所(でも最近ちょっと普通の風呂付き部屋が恋しいの)。
いつも通り身を清め、最終段階、コンタクト外しの段になる。視界を曇らせ、俗世との関係を絶ち、眠りに落ちやすいようにするっていう寸法だ。
いつもの手順で左目から外し、コンタクトを唇に挟む。そして右目。
って、うぉっ!
……をいをい、落ちたよ。。。
とまあ、これは実際よくやる話。余裕しゃくしゃく。畳半畳にも満たないキッチンでは、異次元空間でも存在しない限り、ものが無くなることなどあり得ないのだ。
おもむろにメガネをかけ、戦闘体勢ばっちり。あとは床とシンクに手の平ロードローラー作戦を決行すれば、どんなに逃げ足の速いゲリラだって捕まえられるって訳だ。しかも半畳。大の男がやっと体育座りできるだけのスペースなのだ。
…15分経過
……30分経過
み、みつからねえっ!
半畳スペースにガックリと座り込む俺(裸)。負けたよ、母ちゃん。最近、俺の生活をぶち壊しにしているブラックホールはコンタクトまでも吸い取っていきました。
あ?今度は何が欲しいんだ? パワーブックか? アパートか? 全く、神もクソもあったもんじゃねえっ! やさぐれモードマックスに達した俺。そのままふて寝を決め込もうと布団にもぐりこむ。
……あれ?
右足の 指の間に コンタクト(五七五)
…うーん
俺様は 指の間で 白刃どり(五七五)
…うーん
コンタクト 落ちるあいつを 二指真空波(字余りbyラオウ)
…うーん、サイアク。
…やっぱり異次元空間は俺の中にあるらしいね。 27時30分、就寝。 |
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