胸の大きな女。 彼女は19世紀フランスの貴婦人が着るようなドレスに身を包んでいる。 僕は彼女に恋をして、惹かれていく。
誘われるままに、宮殿の階段を上がっていく。 しかし、いつしか彼女の片方の胸は腐り始めていく。 気が付くと、彼女は既に女ではなく、歯が欠けた汚いおっさんになっていた。無精ヒゲが生えて、小太りな本当に汚いおっさんだ。
僕は再びおっさんに連れられてエレベーターを上がっていく。 僕は本当におっさんんと一緒にいたくないのに逃げられない。 それどころか、その運命を甘んじて受け入れようとしている。 昭和時代にはどこにでもあった、汚いアイスクーラーボックスのある薄暗い部屋におっさんと2人で入る。
おっさんはナニを僕のケツに突き立てようとする。 僕は処女のように身動きがとれない(笑)。
すんでの所で見知った人が入ってきて、「なにしてるの?」と聞いてくる。とても冷静に。僕は恥ずかしさのあまりソファの陰から出ていくことが出来ない。しかも半ケツだ(笑)。 それでも引きずられるようにして部屋を出ていく。 建物から出て、建物を見てみると、つたの絡まった古ぼけた灯台のような長細い建物だった。女はどこにもいない。
トーンはグレー。音はほとんど何もない。
鬼は外。福は内。鬼は邪悪なモノと誰が決めたのだろう。 角が生えて、異形な顔をしているからといって、追い出すのはどうかと。実際に鬼が何かをした、っていうのはあまり聞いたことが無いのだけれど。とりあえず、福の神のでっぷりと肥えて、笑っているのか笑っていないのか分からない顔が、とても嫌いである。 金は無いよりあった方がいい、ってだけなんだよな。
No.(12) |
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